三春町の奇祭、西方水かけまつり

福島県三春町で行われる「西方水かけまつり」は、激しく水をかけ合い、無病息災・子孫繁栄・五穀豊穣を祈願する「みそぎ」の行事です。かつては旧正月の1月15日に行われていましたが、現在では毎年元旦に行われています。

言い伝えによれば、天正年間(1573~1591)三春城にあった田村氏の武将として名を馳せた西方城主・千葉紀伊守が領民の士気を鼓舞するために始めた祭事と言われています。
この地区で前の年に結婚した男性の家を宿とし、元旦の午前中に祝宴を行い、泥酔(酩酊に近い)状態で行われます。

まず、12時頃から大滝根川にて禊(みそぎ)を行います。

禊を行うために大滝根川に向かう西方地区の青年。背景は三春ダム。
大滝根川で禊を行う西方地区の青年。身を切るような冷たさに違いない。

禊に続いて鹽竈(しおがま)神社へ参詣。

禊に続いて、鹽竈神社に参詣。泥酔しているので長い階段が堪えるようだ。
鹽竈神社に参詣。

そしていよいよ井戸の水をかけ合います。

まつりのクライマックス、水かけが始まる。皆まだパンツが白い。
田んぼの泥水もかけ合うので、別名「泥かけ祭り」とも呼ばれている。
集中砲火を浴び、立ち尽くす。見ている方は楽しいが、当事者はつらいだろう。
万歳三唱してまつりは終了。のはずが、まだまだ続く。
次第にギャラリーにも水が飛んでくるようになる。ギャラリーも気が気ではないが、これもまた楽しい。

水かけが終わると、西方地区の初嫁が集い、神に嫁としての勤めを誓った後、椀籠に、すりこぎ・しゃもじ・杓などの台所用品を縛り付けたものを背負い、接待に当たります。初嫁が背負う椀籠は「女性」・スリコギは「男性」を象徴しています。(しゃもじや柄杓などは後から加わったものとされています。)椀籠を背負うのは、一生連れ添うための誓いで、子孫繁栄を願っているためです。

元旦は是非三春町の奇祭を見に来てください。

まとめ

【名称】西方水かけまつり(にしかたみずかけまつり)
【日時】1月1日12:00頃から大滝根川にて禊(みそぎ)、鹽竈神社へ参詣、行井戸で水かけ
【場所】三春町西方中ノ内384
【駐車場】ありますが駐車可能台数が少ないため毎年路上に溢れます。係員の誘導に従って停めてください。
【電話】0247-62-3690(みはる観光協会)
【公式サイト】みはる観光協会

文化財としてのまとめ

種別 三春町指定無形民俗文化財
名称 西方の水かけ祭り
読み にしかたのみずかけまつり
指定年月日
所有者 西方若連会
見学 自由

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